軒ゼロ住宅で後悔しないために知っておきたいこと
外壁がすっきりと見える軒ゼロの住宅、当社でも今はこのスタイルがメインになっています。
SNSで出てくる素敵な家も軒ゼロが多いですよね。その影響からか、実際に人気の高いスタイルに。
一方で、軒には雨や日差しから外壁を守る役割があるのも事実です。軒ゼロを選ぶなら、その特性を理解した上で、お手入れの仕方を知っておくと安心です。今回は軒がない場合に起きやすいことと、きれいな状態を保つための対応策をまとめてみます。
そもそも軒とは何か
屋根が外壁より外側に張り出している部分のことです。昔ながらの日本家屋の深い軒を思い浮かべると分かりやすいと思います。雨や強い日差しから外壁や窓を守る、いわば「屋根の傘」のような役割を果たしてきました。
軒ゼロ住宅は、この張り出しをなくすか、極端に短くした設計です。デザイン性が高く、コストも抑えやすいことから、都市部を中心に選ばれることが増えています。
軒がないと起きやすいこと、その対応策
外壁への雨当たりが直接的になる
軒がない分、雨が直接当たる壁の面積が大きくなります。特にサイディングの目地に使うコーキング(シーリング)は紫外線と雨水の影響を受けやすい部分です。
ただ、これは定期的なメンテナンスで十分カバーできる範囲です。当社では引き渡し後も定期点検を行っており、コーキングの状態や外壁の汚れを早めにチェックしています。小さなヒビや劣化のサインは、早期に見つければ補修も簡単で費用も抑えられます。軒の有無にかかわらず、外壁は「経年で手を入れるもの」という前提で付き合っていただくのが一番です。
南面の窓に日差しが入りやすい
軒があれば、夏の高い角度の日差しを自然に遮り、冬の低い角度の日差しは取り込むという調整ができます。軒ゼロだと、南面の窓は夏場の直射日光を受けやすくなります。
対応策としては、Low-Eガラスなどの遮熱性能の高い窓を採用する、外付けブラインドやシェードを併用する、南面だけ軒を出すといった方法があります。窓まわりの工夫で体感はかなり変わってきますので、設計段階で日射のシミュレーションをしておくと安心です。
小雨のときに窓を開けにくい
軒がない分、窓を開けたときに雨が吹き込みやすくなる場面があります。梅雨時期など、換気したいタイミングと重なることもあります。
窓の上だけに小さな庇(ひさし)を設ける、換気は24時間換気システムを軸にして窓開けに頼りすぎない設計にするなど、間取りの計画段階で調整できる部分です。
メンテナンスは必要
軒があってもなくても、外壁のメンテナンスはいずれ必要になります。軒ゼロの場合は、その周期がやや短くなる可能性がある、という程度に捉えていただくのが実態に近いと思います。
だからこそ大事なのが、定期点検です。劣化してから慌てて大規模な補修をするのと、早めに小さな手を入れ続けるのとでは、トータルの費用も家の見た目の持ちも変わってきます。当社が定期点検をお勧めしているのも、この差を埋めるためです。
きれいな状態を保つためにできること
軒ゼロ住宅を長くきれいに保っている方に共通しているのは、「変化に早く気づく」ことです。コーキングの色が変わってきた、外壁に汚れの筋が出てきた、といった小さなサインを見逃さずに手を入れています。
具体的には次のような事が効果的です。
- 高耐候性の外壁材やコーキング材を選んでおく
- 定期点検で早めに劣化のサインをチェックする
- 遮熱性の高い窓ガラスを採用し、日射対策をしておく
- 窓の上に小さな庇を設けるなど、部分的に軒の機能を補う
初期費用は多少上がる部分もありますが、メンテナンス周期を延ばせたり、大規模補修を避けられたりすることを考えると、長い目で見て十分に見合う投資だと思います。
デザインを楽しみながら、長く住むために
軒ゼロ住宅は、デザイン性の高さから今の住宅トレンドの中心にあるスタイルです。そのシャープな外観を長く楽しむためには、「建てて終わり」ではなく「建ててからのお手入れ」を前提に考えていただくのがポイントになります。
当社では引き渡し後も定期点検を通じて外壁や窓まわりの状態を確認していますので、軒ゼロを選んだ後も安心して住み続けていただけます。設計の打ち合わせの段階で、気になる点があれば遠慮なくご相談ください。
