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【住宅の屋根徹底解説】屋根材・形・勾配の違いと選び方

2025/06/13

家づくりを考えるうえで、つい意識が向きにくいのが「屋根」の部分。
屋根は住宅の外観デザインを大きく左右するだけでなく、断熱性・耐久性・メンテナンス性にも直結する、非常に重要なパーツです。

本記事では、屋根の「形」「屋根材の種類」「勾配」について、わかりやすく解説します。理想の住まいに合った屋根選びの参考にしてください。

屋根の形の種類と特徴

屋根の形状は、建物の印象を決めるデザインの要素であり、同時に風雨の対策や居住空間の快適性にも影響を与えます。
屋根形状の種類は様々ありますが、一般住宅に採用される代表的な屋根の形を紹介します。

切妻(きりづま)屋根

最も一般的な屋根形状で、三角屋根とも呼ばれます。シンプルな構造で雨水の排水性も高く、建築コストも比較的抑えられます。

特徴

  • メンテナンスしやすい
  • 小屋裏空間を活用しやすい
  • 和洋どちらのデザインにも対応可能

寄棟(よせむね)屋根

四方向に屋根が傾斜している形で、風雨に強いのが特徴です。安定感のある見た目で、和風住宅に多く見られます。

特徴

  • 高い耐風性・耐雨性
  • 落ち着いた印象を与える
  • 雨漏りしにくいが構造はやや複雑

片流れ屋根

一方向に傾斜する屋根で、モダンなデザイン住宅に多く採用されます。太陽光パネルとの相性が良く、シンプルな構造も魅力。

特徴

  • スタイリッシュな外観
  • 太陽光発電との親和性◎
  • 風の影響を受けやすい点に注意

その他の屋根形状

  • 差し掛け屋根:2つの屋根を高さ違いでずらして組み合わせた形。主屋の屋根に、下屋(げや)を差し掛けるように取り付けられるのが特徴です。
  • 方形屋根:正方形の建物に使われる、全方向に同じ傾斜をもつ屋根。
  • 陸屋根:勾配のほとんどないフラットな屋根で、屋上利用が可能。木造住宅には不向き。

屋根材の種類とそれぞれの特徴

屋根に使用される素材(屋根材)にはさまざまな種類があり、デザイン性、耐久性、コスト、メンテナンスの手間などが異なります。

屋根材特徴耐用年数コスト感
スレート(化粧スレート)軽量で安価、カラーバリエーション豊富約20〜25年低〜中
ガルバリウム鋼板軽量で錆びにくい、現代的デザインに合う約30〜40年
瓦(陶器瓦)耐久性が非常に高く断熱性も◎50年以上
アスファルトシングル軽量で柔らかくデザイン性あり約20年

スレートやアスファルトシングルは劣化が早いため、メンテナンス頻度は高めです。
最近の新築住宅でガルバリウム鋼板の採用率が最も高くなっているのは、耐用年数やメンテナンス頻度、コストなどを鑑みてもバランスが良いからでしょう。

当社でも太陽光発電パネルの設置や屋根勾配を緩くしたりすることが多いため、ガルバリウム鋼板を屋根として採用することがほとんどです。

屋根の勾配(角度)とは?住まいに合った選び方

屋根の勾配とは、屋根の傾きの度合いを示すもので、建物のデザインだけでなく、雨水の排水性、積雪対応、太陽光パネルの設置などに影響します。

まず、勾配を表す際、一般的に「寸勾配(尺貫法)」「角度(度数)勾配」「分数(比率)勾配」の3種類の表記方法があります。日本の建築現場では主に「寸勾配(尺貫法)」が使われますが、「寸」や「尺」と言われても一般の方には馴染が薄くわかりにくいですよね。

なので簡単にご説明しておきましょう。
1尺の10分の1が1寸です。(1尺=30.3cm、1寸=3.03cm)
例えば「4寸勾配」というのは、水平距離1尺(30.3cm)に対して4寸(12.12cm)上がる勾配を指します。
角度で言い換えると21.8°で、分数なら4/10です。
1m(100cm)で40cm上がるという風にすぐ考えられるので、分数が一番わかり易いかもしれませんね。

勾配の種類(例)

  • 超緩勾配(1.5寸程度)
     →最近のデザイン住宅や都市型住宅で採用が増えている
     →スッキリとした水平ラインが生まれ、スタイリッシュな外観に
     →排水性が低いため、屋根材の選定・しっかりした防水施工が求められる
     →防水性の高い金属屋根(ガルバリウム鋼板など)と相性が良い
  • 緩勾配(2寸~3寸)
     →1.5寸に比べてやや角度がつき、排水性能が改善されるため施工の自由度が広がる
     →モダンで落ち着いた印象を持ちつつも、実用性も確保
     →使用できる屋根材の選択肢も増える(スレートなど)
     →ただし、地域によっては積雪や強風対策の検討が必要
  • 中勾配(4寸~5寸)
     →日本の住宅で最も標準的な勾配
     →見た目・機能ともにバランス良好
  • 急勾配(6寸以上)
     →洋風デザインや山間部に多い
     →雨や雪がよく流れるため、耐久性が高くなる

4寸勾配以上でないと瓦は使えないなど、勾配によって使用できる屋根材に制限があるので、屋根材と屋根勾配を決める時はセットで考える必要があります。

デザインだけでなく、機能性も考慮を

屋根は「見た目の美しさ」と「機能性」の両立が求められる部分です。たとえば、モダンデザインに人気の片流れ屋根でも、地域の気候や風の影響を十分に考慮しないと雨漏りや冷暖房効率に関わります。

緩勾配の屋根にも注意が必要です。屋根と室内天井の距離が近いため、夏は室内が熱くなりやすいのです。屋根や天井の断熱性能を高めておく方が良いでしょう。

屋根材も、価格だけで選ばず、耐用年数・メンテナンス性・断熱性まで見据えて検討するのがおすすめです。

まとめ

屋根は家の印象を決める「顔」であると同時に、長く安心して住むための「機能」を担う大切な要素です。屋根の形、素材、勾配にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや地域の気候によって最適な選択肢が異なります。

当社では、お客様のご要望に合わせてデザイン性と機能性を両立した屋根プランをご提案しております。家づくりの際には、ぜひ屋根にもこだわってみてください。

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