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なぜ窓の断熱性を重視するべきなのか
住宅の断熱性能を高めるうえで、最も見落とされがちなのが「窓」です。
壁や屋根、床にはしっかりと断熱材を入れるのが一般的ですが、実は冬の暖房熱の約5〜6割が窓から逃げていると言われています。
つまり、どんなに高性能な断熱材を屋根や外壁に使っても、窓が弱ければ家全体の性能は一気に下がってしまうのです。
このため、窓は「家の断熱性能を左右する最大のポイント」とも言えます。

なぜ窓から熱が逃げやすいのか
理由はシンプルで、ガラスやアルミは熱を伝えやすい素材だからです。
たとえば、アルミサッシは鉄の約半分の重さでありながら、熱伝導率は樹脂の約1,000倍。つまり、熱が簡単に移動できてしまう素材なのです。
さらに、ガラスは面積が大きく、外気と室内の温度差がダイレクトに影響します。冬の寒い朝、窓ガラスが結露するのは、外の冷気がガラスを通して室内側に伝わるためです。
断熱性の高い窓に変えるとどう変わる?
高断熱の窓を採用することで、体感温度が大きく変わります。
たとえば、冬の朝でも「窓際にいても寒くない」と感じるほど。
冷たい空気が床に降りてこないため、エアコンの効きも良くなります。
さらに、省エネ効果も絶大です。
環境省の試算によると、断熱性能の高い窓に交換することで、年間の冷暖房費を約30%削減※できるケースもあります。
電気代の高騰が続く今、これは非常に大きなメリットです。
※モデルケースによる目安。住宅条件によって大きく異なります
樹脂サッシ・トリプルガラスの時代へ
日本では長年、アルミサッシが主流でしたが、現在は樹脂サッシが注目されています。
樹脂は熱をほとんど通さないため、外気温の影響を大幅に抑えられます。
さらに、ガラスを二重(三重)にした複層ガラスと組み合わせることで、熱損失を劇的に減らすことが可能です。
断熱性能に特化した住宅メーカーでは、トリプルガラスを標準として採用しているところもあります。
理由は、夏の冷房効率も上がるからです。断熱性の高い窓は、外からの熱を遮断し、室内の冷気を逃さないため、夏も快適に過ごせます。
結露対策にも効果的
断熱性を高めると、結露の発生も大幅に減ります。
結露は放置するとカビやダニの発生源になり、住宅の寿命を縮める原因にもなります。
樹脂サッシや複層ガラスを採用すれば、室内表面の温度差が小さくなり、結露しにくい環境をつくれます。
これは見た目の問題だけでなく、家の健康にも関わる重要な要素です。
実は「窓リフォーム」も有効
「今の家でもできることはあるの?」という方には、窓の後付けリフォームが有効です。
既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付ける「内窓(二重窓)」工事なら、1窓あたり1時間程度で施工可能。
費用も比較的手頃で、断熱性・防音性の両方をアップできます。
さらに、国の補助金制度(例:先進的窓リノベ2025など)を利用すれば、一戸当たり200万円が補助されることもあります。
まとめ:窓を変えると、家が変わる
窓は単なる「採光のための開口部」ではありません。
家の快適さ、省エネ性、耐久性、健康環境までも左右する最重要パーツです。
壁の断熱も重要ですが、まず「窓の断熱性」を優先してみることで、冬は暖かく、夏は涼しい、光熱費も抑えられる家づくりが実現します。
出典
- 日本建材・住宅設備産業協会「住宅の部位別熱損失割合」より。冬期に室内の熱が約58%窓から逃げるとされる。
- YKK AP『窓から考える快適な住まい』技術資料より。アルミと樹脂の熱伝導率比較。
- 環境省『高断熱ガラス・高性能断熱素材等の断熱強化設備の導入に関するガイドライン』(2023年度)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/gel/ghg-guideline/search/pdf/01_231.pdf - 長岡京市「窓の断熱改修でエアコン使用量を30%抑制できると仮定した試算例」(2023年)
https://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000014193.html - 環境省「先進的窓リノベ2025 公式サイト」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/zenmado/
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