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「造作」って何?既製品にはない“ぴったり感”

2026/09/18

「造作」って何のことですか、とお客様から聞かれることがよくあります。図面や見積書に当たり前のように出てくる言葉ですが、家づくりを初めて経験する方にとっては馴染みのない単語だと思います。

造作とは、既製品ではなく、大工さんが現場で木材を加工して作る建具や造り付け家具のことです。棚、収納、カウンター、窓枠いった、住まいの中に溶け込んでいる部分の多くが、実は造作でできています。

既製品との違い

家具屋さんで買う家具や、メーカーが作るシステム収納は「既製品」です。サイズも仕様もあらかじめ決まっていて、カタログから選んで設置します。

一方、造作は現場合わせです。図面をもとに大工さんが寸法を測り、木を刻んで作り上げます。同じ「テレビボード」でも、既製品なら幅は90cm・120cm・180cmといった規格の中から選ぶしかありません。でも造作なら、壁から壁までぴったり147cmで作る、といったことができます。

この「隙間なくぴったり収まる」感覚は、実際に住んでみると想像以上に効いてきます。壁とのあいだに5cmの隙間があると、そこにホコリが溜まったり、地震のときに家具が動いたりする原因にもなります。造作ならその心配がありません。

造作でよく作られるもの

現場でよく登場する造作の例を挙げてみます。

  • 玄関収納やシューズクローク内の棚 — 家族の人数や靴の量に合わせて棚板の間隔を決められます
  • リビングのテレビボード・飾り棚 — 壁面いっぱいに作ることで、既製品にありがちな「側面の隙間」が出ません
  • 洗面台まわりのカウンター — 洗面ボウルの位置に合わせて造作すると、脱衣カゴや洗剤置き場のスペースを無駄なく確保できます
  • 階段の手すり・巾木・窓枠 — 目立たない部分ですが、既製品の枠だと納まりが悪くなるケースで活躍します

弊社でも、収納計画のご相談をいただくことが多いです。特に収納まわりは、家族構成やライフスタイルによって必要な収納量が大きく違うので、造作で調整する場面がよく出てきます。

造作のメリットとコスト面の話

造作の強みは、自由度と統一感の両方にあります。

自由度でいえば、天井までぴったりの高さの本棚、階段下の変形スペースを活かした収納、家族の身長に合わせた洗面カウンターの高さ——既製品では実現しにくい要望に応えられます。

素材とテイストを合わせられる

もう一つ、大きいのが素材・色のテイストを合わせられることです。例えば、リビングの棚板とフローリングを同じ樹種・同じ色味の材で作ると、床から棚へと視線が自然に流れて、空間に統一感が出ます。既製品の家具だと、床の色に近いものを探して選ぶことしかできませんが、造作なら「この床材と同じ塗装、同じ木目」で棚を作ることができます。細かい部分ですが、この差は写真で見るより実際の部屋に立ったときのほうがはっきり感じられます。

コストは「単純比較」しない

正直なところ、コストは既製品より高くなる傾向があります。大工さんの手間賃と材料費がかかるためです。ただし、これは「造作は高い」と単純に考えて諦めない方が良いと思います。既製品の家具を後から購入する費用と、設置スペースの制約による使い勝手の悪さを含めて考えると、造作のほうがトータルで満足度が高いケースは少なくありません。

もう一つ知っておいていただきたいのが、造作は「打ち合わせの精度」がそのまま仕上がりに反映される点です。既製品なら現物を見て決められますが、造作は図面と会話だけで完成形をイメージする必要があります。大工さんと設計担当、お客様の三者で細かい寸法や使い方をすり合わせる時間が、既製品を選ぶときよりも多くなります。建築中の現場に足を運んで、実際の場所で打ち合わせをするお施主様もいらっしゃいます。この打ち合わせを面倒に感じるか、自分だけの家を作るプロセスとして楽しめるかで、造作との相性が分かれる気がします。

造作を検討するときに聞いておきたいこと

これから家づくりを進める方に、造作を検討する際のポイントをいくつかお伝えします。

まず、「どこまでが造作で、どこからが既製品なのか」を見積書の段階で確認してください。工務店によって呼び方や範囲の区切り方が違うため、思っていたものと違う、という食い違いが起きやすい部分です。

次に、将来のメンテナンスについても聞いておくと安心です。造作家具は現場でオーダーメイドされる分、既製品のようにパーツ単位での交換がしにくい場合があります。扉の建て付けが悪くなったときの調整方法など、引き渡し後の対応を事前に確認しておくと、住み始めてから慌てずに済みます。

造作は、住まいの「その人らしさ」を作る部分だと感じています。既製品を組み合わせるだけでは出せない、ぴったり感や統一感。図面の打ち合わせに少し手間はかかりますが、住み始めてからの満足度に直結する要素だと思います。家づくりを進める中で「これは造作にできますか」と、遠慮なく担当者に聞いてみてください。

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