グレージュとは?色の特徴と家づくりで後悔しない選び方
新しい家を「グレージュ」でコーディネートしたい方、多いのではないでしょうか。
いざ色選びをしてみると、グレージュにも様々あることに悩まされると思います。少し青みのあるグレーだったり、ほぼ薄い茶色だったり。同じ名前なのにずいぶん違う色が並びます。
グレージュには実は決まった色の定義がありません。なので担当者に「グレージュで」とだけ伝えても、なかなか決まらなりのです。グレージュには決め方があります。完成してから「イメージと違う」とならないように確認しておきましょう。
グレージュとは、グレーとベージュの間にある色
グレージュは、グレー(灰色)とベージュを合わせた造語です。グレーのクールな落ち着きと、ベージュのやわらかさ、その中間にあたる色を指します。
色の性質で言えば、鮮やかさ(彩度)がかなり低い色です。赤や青のような強い色味はなく、どこか曖昧で、周りの色になじみます。住宅の内装に向いているのはこのためです。
ベージュ寄りか、グレー寄りか
グレージュの幅は広く、大きく分けて2つの方向があります。
- グレー寄り(クールグレージュ):色味が抑えられ、涼しげで都会的な印象
- ベージュ寄り(ウォームグレージュ):黄みや赤みがほんのり入り、あたたかい印象
同じリビングで、壁の1面だけ色を変えて比べてみました。上がグレー寄り、下がベージュ寄りです。

上はグレーが主役の涼しい壁です。木の床や家具の色がくっきり浮かび、空間が引き締まって見えます。下は茶色が溶け込んだ穏やかな壁で、床の木との距離が近く、部屋全体がやわらかくまとまります。
ソファやラグは同じなのに、壁の色が変わるだけでソファのグレーの見え方まで変わっているのも見どころです。ベージュ寄りの壁の前では、ソファのグレーが少し涼しげに見えます。
明るさにも差があります。上は少し重く、下は明るくやわらかい。グレージュを選ぶときは、色味だけでなく「どのくらいの明るさか」も一緒に決める必要があります。
壁紙は、少し暗くするだけで、思った以上に部屋が暗くなるのでそこも注意です。
画面で見る色はスマートフォンやモニターの設定で変わります。この比較は違いをつかむための目安にとどめ、実際に決めるときは実物のサンプルで確認してください。
メーカーやカタログによって、同じ「グレージュ」でも位置がばらばらです。打ち合わせでは、名前ではなく実物の色で話すようにしてください。
なぜグレージュが家づくりで選ばれるのか
白い壁は明るくて清潔ですが、真っ白は落ち着かないと感じる方も多く、影や汚れも目立ちます。かといってグレーを濃くすると部屋が暗く重くなりがちです。グレージュはその間に収まる色です。
家具やカーテンの色を選ばないことも大きいと思います。白でも黒でも木素材でも、グレージュの壁なら受け止めてくれます。家具をたくさん置くお部屋には、使いやすい背景色です。
どこに使うか
壁と天井
最も面積が大きく、グレージュの印象を決める場所です。天井は壁より一段明るい色にすると、圧迫感が出にくくなります。
床・建具・キッチン
床や建具に使うと、白い壁との組み合わせで空間がやわらかくまとまります。キッチンの扉やカウンターで取り入れる例も増えています。
外壁
外壁でも人気ですが、屋外では日光で色が明るく見えます。サンプルで選んだ色が、実際の壁面では一段薄く感じられることがあります。迷ったら、一段濃いほうを選ぶのが無難です。
失敗しないための確認ポイント
サンプルは大きなもので見る。色は面積が大きくなるほど、明るく、色味が薄く見える性質があります。名刺サイズの見本で「ちょうどいい」と思った色は、壁一面になると想像より白っぽくなります。A4以上のサイズを壁や床に立てかけて確認してください。
時間帯を変えて見る。朝と夕方、昼と夜。自然光でも照明でも、グレージュは見え方が大きく変わります。
照明の色を合わせる。電球色(暖かい光)の下ではベージュ寄りに、昼白色(白く青みのある光)の下ではグレー寄りに見えます。壁の色が決まったら、照明の色もセットで考えます。
SNSで見た色は、投稿者に聞いてみる。好みの色の画像を見つけたら、投稿へのコメントで壁紙や塗料の品番を質問する手もあります。返信が必ず来るとは限りませんが、聞いて損はありません。ただし、写真は照明や加工で実物と色が違って見えます。品番はあくまで手がかりにして、最後は実物のサンプルで確認してください。
隣り合う素材を並べる。グレージュは主張が弱い分、隣にある木や床の色に左右されます。先ほどの画像のように、壁の色を変えるだけで同じ床や家具でも見え方が変わります。必ず同じ場所にサンプルを並べて見ます。
全部をグレージュで揃えすぎない。のっぺりして輪郭がなくなります。照明器具や建具の枠、家具の脚など、どこかに濃い色を入れると空間が締まります。
グレージュと相性のいい素材
グレージュは単体より、素材と組み合わせたときに良さが出ます。木、左官の塗り壁、タイルなど、自然素材の風合いとなじむ色だからです。
当社のジャパンディスタイルでは、モールテックスの淡いグレーと、床や笠木の木を組み合わせています。モールテックスの淡いグレーは、色としてはグレージュではありません。ただ、グレー系の素材にベージュ系の木を合わせるという点で、グレージュが好きな方が求める「落ち着いているけれど冷たくない」空気感とは重なります。
色で作るか、素材の組み合わせで作るか。どちらが好みかは、実物を見るのが一番早いと思います。
迷ったときは、床の色から決める
私の意見ですが、グレージュの家は壁の色から決め始めないほうがうまくいきます。
先に決めるのは床の色です。床は選択肢が限られ、後から微妙に色を変えるなどは出来ません。壁の色は豊富な選択肢があるのでその床に合わせて微調整がききます。
「グレージュにしたい」と思ったら、色の名前を探す前に床のサンプルを手に取ってみてください。
