新築で固定資産税が上がるのはどんなとき?
税額を左右するのは「面積」「仕様」「設備」
建物の固定資産税は、固定資産税評価額 × 1.4%で決まります。評価額は、同じ家を今建てたらいくらかを屋根・外壁・内装・設備といった部材ごとに点数化して足し上げたものです。広くする、仕上げを良くする、設備を足す。どれも点数が増え、税額が上がります。土地の税額は、家の仕様では変わりません。
建物の評価額の式は次のとおりです。
家屋調査を基に「固定資産評価基準」で評価をし、再建築費評点数を算出。
再建築費評点数 × 経年減点補正率 × 1点単価 = 評価額
契約金額がそのまま使われるわけではありません。木造の専用住宅の経年減点補正率は、新築時点で「1年経過」扱いの0.8。1点単価は地域で違い、入間市は0.99円、八王子市は1.05円です。
入間市の公表例※で計算すると、100㎡(約30坪)・1,000万点の木造住宅は、1,000万点×0.8×0.99で評価額792万円。1.4%をかけて、建物の固定資産税は年110,880円です。評価額は3年ごとに見直されます。
※計算例、経年減点補正率、1点単価は、入間市公式ホームページ「評価のしくみ・税額」(2026年9月30日確認)を参考にしています。
土地は、住宅が建つと200㎡以下の部分の課税標準が評価額の6分の1になります。評価額1,200万円なら、1,200万円÷6で200万円、これに1.4%をかけて年28,000円です。
床面積を増やすと上がる
1坪(約3.3058㎡)広げると、建物の固定資産税はいくら増えるか。入間市の例と同じ条件(1㎡あたり10万点、補正率0.8、1点単価0.99円)で試算します。
- 評価額の増加:約261,800円
- 固定資産税の増加:年約3,700円
- 都市計画税の増加(奈良市0.25%):年約650円
10坪広げれば、固定資産税だけで年約3.7万円の増加です。1㎡あたりの点数は仕様で変わるので、実際の額は家屋調査で決まります。
設備・仕様で上がるもの
評価に入るのは、建物と一体になって使い勝手を上げるものです。
- 床暖房、全館空調、天井埋込のビルトインエアコン
- システムキッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ
- 屋根一体型の太陽光パネル
- 窓ガラスの種類(シングル・ダブル・トリプル)や、外壁・屋根・内装の仕上げ材
壁掛けエアコン、家具・家電、屋根に載せるタイプの太陽光パネルは、家屋の評価に入りません。
市は、どうやって仕様や設備を把握するのか
新築の家は、市町村の資産税課の職員(家屋調査の担当者)が調べます。職員が家を訪問して調査します。仕様や設備が分かるのは、図面と現地確認の両方を使うからです。
まず、新築の家があることは、建築確認書、登記申請書、航空写真などから市が把握します。そのうえで施主に、平面図・立面図・仕上表・仕様書・建具表のほか、電気設備図や給排水衛生設備図などの提出が求められます。内装の仕上げや設備の種類は、図面に載っています。
現地には職員が訪れ、30分から1時間ほどかけて確認します。屋根・外壁・給湯器の号数は外から、柱・天井・床・建具・設備は室内から見ます。押入れまで一部屋ずつ見る自治体もあります。図面での評価が中心で、立ち入りは外回りだけという自治体もあります。
図面に書いた設備は市にも伝わる、と考えておくのが安全です。図面一式と建築確認済証、検査済証は、施工会社からもらっておいてください。
増えた税額を軽くする減額制度
新築住宅の減額(一般の戸建て)
令和8年4月1日から令和13年3月31日までに新築した住宅は、建物の固定資産税が新築後3年度分、2分の1になります。床面積は40㎡以上240㎡以下が要件です(令和8年3月31日までは50〜280㎡)。土地の税額と都市計画税は減りません。災害レッドゾーンでの新築は、原則として対象外です。
減額されるのは、居住部分120㎡相当分まで。120㎡は約36.3坪で、超えた分は減額されません。横浜市の例で見てみます。評価額1,330万円、140㎡の家の場合です。
- 建物の固定資産税(減額前):186,200円
- 減額される額:79,800円(186,200円×120/140×1/2)
- 減額後の税額:106,400円
120㎡以内なら半額の93,100円で済むところ、140㎡では13,300円多くなります。
長期優良住宅は、減額期間3年が5年になる
長期優良住宅に認定されると、減額の割合(2分の1)と範囲(120㎡相当分まで)は同じまま、期間が3年から5年に延びます。
先ほどの100㎡の例(評価額が変わらない場合)で見ると、年55,440円の減額が、3年なら166,320円、5年なら277,200円。差は110,880円です。
ただし、長期優良住宅の減額は申告が必要です。奈良市では専用の申告書を、新築の翌年の1月31日までに提出します。自動では適用されない制度として案内されているので、認定を取ったら忘れずに出してください。
認定には耐震性や省エネ性などの基準と、申請の手間・費用がかかります。減額の2年分だけを目的に取るのは、割に合わないケースもあります。もともとその性能で建てる家に、おまけで付いてくる。それくらいで考えておいてください。
減額が終わる年に、固定資産税は倍になる
100㎡の例だと、減額中の年55,440円が、終了後は年110,880円になります。減額制度の事を知らないでいると、昨年より大幅に増えた額にびっくりしてしまいますよね。4年目、もしくは6年目に固定資産税が高くなることを覚えておいてください。
参考・出典
- 入間市公式ホームページ内「評価のしくみ・税額」(2026年9月30日確認)
